シリア難民の肖像〜Borderless people〜 小松 由佳

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シリア難民の肖像〜Borderless people〜

photo by 小松 由佳


2011年から始まったシリア内戦は、武力衝突によって国土を焼き、多くの死傷者を出した。
周辺国には550万人もの人々が故郷から逃れ、難民として避難生活を送っている。
人々は希望や安全を求めて「国境」を越える。しかしその先にあるのは、国家や法の秩序がおよばない曖昧で不確実な世界であり、難民というBorderlessな立場だ。  

新しい土地に根を下ろすことで、人々は一度失った社会基盤を取り戻そうとする。
家を借り、仕事を探し、子どもを産み育て、ときに差別や貧困、さまざまな困難に苦しみながらも日々を生き、家族や仲間を増やしていく。
そうして時を重ね、やがてその土地が第二の故郷となっていく。人間は生まれた土地からアイデンティティを得る一方で、自ら生きる土地を創造する存在でもある。

本写真は一人ひとりの肖像から、今を生きる難民の姿を捉えたものだ。
立ち止まり、じっと目を凝らさなければ見えない幾多の人生や物語がある。写真の外側に広がる果てしない世界にそれらを投影した。


小松 由佳( Yuka Komatsu )

1982年秋田県生まれ。
山に魅せられ、2006年、世界第二の高峰K2( 8611m / パキスタン )に日本人女性として初めて登頂。植村直己冒険賞受賞。
次第に風土に生きる人間の暮らしに惹かれ、草原や沙漠を旅しながらフォトグラファーを志す。
2012年からシリア内戦・難民をテーマに撮影。シリア難民の自立支援活動も手がける。
著書に『オリーブの丘へ続くシリアの小道で~ふるさとを失った難民たちの日々~』(河出書房新社)。

○写真展
2015 「国境の街に生きる」
2017 「ヨルダン 子連れパニック取材行~シリア難民に助けられた一カ月~」
2019 「Borderless people 〜シリア難民の肖像〜」

HP:https://yukakomatsu.jp/index.html
Facebook:https://www.facebook.com/yuka.komatsu.0922


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